頸椎の手術

2017/10/06

治療

関節リウマチでは、頸椎(けいつい)の特に第1頸椎と第2頸椎に亜脱臼が起こりやすくなります。頸椎は脳や神経に影響を及ぼす重要な部分です。頸椎に障害が起こった時の治療について紹介します。

すぐに手術になるわけではない

 

上の図は人を横から見た時の断面図です。第1頸椎と第2頸椎は首と脳の間にあることが分かります。関節リウマチによって、第1頸椎、第2頸椎に亜脱臼が起こると、頸椎の中にある脊髄が圧迫され、しびれなどの症状が現れます。脊髄は延髄(えんずい)につながっていて、延髄が圧迫されると生命にかかわることもあります。

 

しかし、すぐに手術!となることはまれです。頸椎の中に脊髄が通っていますが、頸椎と脊髄の間には比較的余裕があり、頸椎に変形が起きても神経を圧迫するまでには余裕が残されているからです。

 

保存療法

手術に至る前には、保存療法が選択されます。頸椎カラーコルセットという装具をつけて頸椎を固定します。コルセットはやわらかいものから硬いものまで種類があり、硬いものほど固定する力は強くなりますが、使用感は悪くなります。

 

頸椎の手術「脊椎固定術」

装具をつけても症状が改善しない場合は、CT検査を行い、亜脱臼が進んでいる場合は手術がすすめられます。

手術は骨盤から採取した骨を移植し、金属のワイヤーやスクリュー、ロッドなどで頸椎を固定します。手術後は痛みがなくなり、しびれなども改善しますが、頸椎が固定されるため、回旋運動が少し不自由になります。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック