メトトレキサート(リウマトレックス®)服用で注意することは?
2017/10/23
メトトレキサートは関節リウマチの治療で最も使われているリウマチ薬です。どんな飲み方をするのか、注意点などをご紹介したいと思います。
決められた曜日に服用する
メトトレキサート(MTX)は通常6~8㎎/週にて開始し、効果をみながら徐々に増量などの用量調整を行います。MTXは毎日のむお薬ではありません。週に1~2回、決められた曜日に服用することになります。
特に開始時、増量時は副作用に注意
MTXを初めて服用する時や、増量した時などは下記のような副作用に注意しましょう。異変を感じた時はすぐにかかりつけ医に相談してください。
●下痢
●発疹、じんましん
●風邪のような症状(発熱、咳・痰がでる など)
●のどの痛み、発熱
●歯茎の出血、青あざ
●息切れ
●尿量が減る、回数が減る
●口の中が荒れる(口内炎 など)
など
副作用軽減のため、葉酸製剤を内服
MTXの副作用を軽減するために葉酸製剤(フォリアミン🄬、ロイコボリン🄬 など)を服用します。葉酸製剤の服用は、MTXを服用してから24~48時間後に服用します。メトトレキサートと葉酸を飲むタイミングをずらすのは、葉酸によってメトトレキサートの効果を軽減してしまわないためです。
葉酸製剤の服用を忘れた時は?
もし服用を忘れた場合は、忘れた分をまとめて服用してはいけません。本来服用する日、あるいは次の日に飲み忘れに気づいたときは、その週だけ1日ずらして服用するか、その週は内服せずに1週間とばして内服します。
飲み忘れた時の対応については、必ずかかりつけの医師、薬剤師に相談するようにしましょう。
葉酸サプリは控える
葉酸はMTXの働きを抑制してしまいます。葉酸を含むサプリメントや青汁などの栄養食品を過剰に摂取してはいけません。
なお、葉酸はレバーや海藻類など食品中にも含まれていますが、これらは1回にどんぶり1杯以上を摂取しない限り影響がないとされています。
妊娠を希望する場合は、服用を中止する
MTXは胎児・乳児への悪影響があるため、妊娠を希望する場合は男女ともに3カ月前には服用を中止します。MTXに限らず、妊娠を希望する場合は、事前に医師に相談しておくことが大切です。
MTX併用が必須条件である生物学的製剤もある
生物学的製剤の中には、MTXとの併用を必須条件としている薬(レミケード:インフリキシマブ🄬)があります。MTX以外の新しい薬が開始されても、医師の指示がない限りMTX服用を継続しましょう。
自己判断で服用をやめないこと
MTXなどの免疫抑制薬は、効果が出るまでに数週間~数か月かかる場合があります。そのため、関節リウマチの症状が改善する前に副作用を実感してしまい、服用を継続することに不安を感じてしまうこともあるようです。
そんな時は医師や看護師、薬剤師に相談してアドバイスをもらうようにしましょう。
●症状がおさまっているし、副作用が怖いから止めたい
●薬を飲んでいるけど、効いている感じがしない
●痛くなくなったので、中止したい
●複数の薬があって管理がむずかしい
●手が痛くて、薬を飲むのもつらい
など