リウマチの問診、何が聞かれる?

2017/08/24

診断

診察の際にまずある問診。医師の前で、初めて聞かれるような質問をされると、緊張してしまったり、うまく伝えることが難しかったりするものですよね。どのような問診が行われるのか知っておくだけでも落ち着いて話すことができるかもしれません。今回は関節リウマチの問診についてのお話です。

質問の中心は、家族歴・病歴・自覚症状

医師にとって患者さんからの情報は、病気の状態を知る重要な情報源です。特に初診の際は、下記のような内容を問診される場合が多いです。医療機関へ行く前に、メモをして持参してもよいでしょう。

 

関節リウマチの問診(例)
●いつから、どこが、どのような症状があるのか
●関節以外の症状
●家庭(生活)環境
●家族歴
●過去の病歴
●妊娠の有無、または可能性
●出産歴
●現在服用している薬
●薬に関するアレルギーの有無

 

もう少し詳しく説明していきます。

 

現在までの病気の推移

受診に至るまでの病状について思い出しておきましょう。

 

発症した時期、最初に症状が現れた関節はどこか

発病した前後の状況(出産、身体的・精神的な過労、発熱、倦怠感などはあったか)を思い出し、細かく伝えましょう。

 

今、現れている症状

特に痛みは、患者さんご本人にしか分からないものです。無痛を0、過去最大の痛みを10とした時に、今の痛みはどのあたりか考えておきましょう。

 

◇どの関節にどんな症状があるか。(例:こわばり、腫れ、痛み)
◇その症状を感じるのはどんな時か。(例:朝起きた時、1日中)
◇症状はいつ頃始まったか。
◇朝のこわばりはどれくらいの時間つづくか。
◇関節以外の全身症状はあるか。(例:倦怠感、熱っぽさ、食欲不振)

 

他の医療機関で治療を受けている場合

下記の状況も伝えましょう。
◇過去に使っていた、または今も使っている薬の種類や量
◇副作用がでたかどうか。(例:口内炎、皮膚症状、かゆみ)

 

家族に自己免疫疾患の方はいるかどうか

関節リウマチは遺伝病ではありませんが、発病には遺伝的な体質や素因が関わる場合があるといわれています。兄弟・姉妹、両親、祖父母など家族の中に下記のような自己免疫疾患の病気の方はいないか確認しておきましょう。

 

◇関節リウマチ
◇全身性エリテマトーデス
◇多発性筋炎
◇強皮症
◇シェーグレン症候群
など

 

 

生活環境が関節リウマチに影響している場合がある

患者さんの生活環境を知るために、家庭や仕事、趣味、周囲の人の病気の理解などについても聞かれる場合があります。これは、患者さんの生活環境が関節リウマチに影響を及ぼしている場合があるからです。

 

過去にかかったことのある病気

特に甲状腺の病気、シェーグレン症候群、高血圧については、関節リウマチとかかわりのある病気なので過去にかかったことがあれば医師に伝えましょう。
また、関節リウマチの治療には薬剤を使うので、副作用に注意するために、胃腸障害、結核、糖尿病、腎臓の病気、肝臓の病気、薬物アレルギーなどがあれば医師に話しておくとより安心です。

問診で得る情報は、診断・治療する上で貴重な情報

医師に聞かれる、伝える内容が意外と多いことが分かるかと思います。検査結果は数値として現れますが、患者さんご自身が感じている症状や医療機関の外での状況はご本人にしか分からない情報であり、話さない限り医師が知ることはありません。問診で得る情報は、診断や治療の手がかりとなる重要な情報です。できる限り正確に、正直に話すようにしましょう。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック