関節リウマチの「痛み」ってどんな痛み?

2017/08/28

症状

関節リウマチが痛みを伴う病気であることは、皆さんご存知かと思います。でも実際どんな痛みなのかは、患者さん本人にしか分からないものです。今回は関節リウマチの痛みの特徴を紹介します。

初期は、押したり動かした時に痛む

関節リウマチの初期の痛みは常に痛むわけではなく、よくなったり悪くなったりを繰り返しながらじわじわと進行する場合が多いです。はじめは、じっとしている時はほぼ痛みません。腫れている部分を押した時に痛んだり(圧痛)、動かした時に痛む(運動痛)を感じます。

炎症によって、しめつけられるような痛みがつづく

病状が進むと、次第にじっとしていても痛む(自発痛)ようになります。これは「万力でしめつけられるような」と表現される痛みです。刃物で切ったような鋭い痛みとは違います。自発痛は滑膜の炎症がもたらす痛みで、炎症性疼痛と呼ばれます。

痛みは精神的ストレスや湿気、気圧の低下などの影響を受けると強くなります。天候が崩れる前は痛みやこわばりが強くなることが多いようです。

さらに進行すると骨や神経が原因で痛む

骨の破壊などが進むと、炎症性ではない別の原因で痛みが生じます。

 

阻血(そけつ)性疼痛

血流が阻害されることで起きる痛みです。
関節破壊が進み、関節を動かすことが不自由になると、関節を曲げ伸ばしする筋肉や周辺の組織が萎縮してしまいます。その部分は血流が悪くなり、慢性的な酸素不足が起こります。この状態で寒さなどで血管が収縮すると酸素不足が進み、痛みを感じるようになるのです。

 

機械的疼痛

骨が弱くなって生じる痛みです。
軟骨が薄くなったり消失してしまうと、関節を動かす時の衝撃が直接骨にかかってしまい、痛みが起きます。さらに骨と骨がかみ合う面が壊れると、動くたびに摩擦が起き痛みを生じます。安静にしている時は痛みませんが、根本的な解決にはなりません。
関節リウマチの患者さんは骨粗しょう症を合併することが多く、骨粗しょう症では機械的疼痛が避けられません。

 

絞扼(こうやく)性の神経障害

関節の近くには狭いトンネル状の部位があり、その中を神経が通っています。関節の腫れによって周囲が圧迫されるようになると、この神経が絞めつけられるように押されてしまい痛みやしびれが起きます。
手根管(しゅこんかん)症候群は絞扼性神経障害の代表例です。腕から手先にかけてピリピリ、ヒリヒリした痛みが生じます。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック