CDAI測定を知る
リウマチ治療の新しい基準「CDAI」
CDAIとは
●CDAI(シーダイ)とは何ですか?
CDAIは「Clinical Disease Activity Index」の略で、リウマチの活動性を評価するスコアです。“リウマチの活動性”とは分かりやすく言うと“炎症や症状の強さ”のこと。CDAIスコアが高いとリウマチの症状が強いことになります。
CDAIスコアは下記の計算式で算出します。
CDAI = 圧痛関節数+ 腫脹関節数 + 患者による全般評価 + 医師による全般評価 ※
疾患活動性 | CDAI |
---|---|
寛解 | CDAI≦2.8 |
低 | 2.8<CDAI≦10 |
中等度 | 10<CDAI≦22 |
高 | 22<CDAI |
当ホームページでは「患者の全般評価」と「医師の全般評価」を同等と想定し、患者さんご自身がCDAIスコアを測定できるようにしました。
●CDAIスコアを測定すると良いことがありますか?
CDAIスコアは
- ●寛解に近づいているのかを知る
- ●寛解を維持できているのかを知る
- ●今行っている治療を見直す材料になる
- ●医師へ症状を伝えやすくなる
・・・など、体の状況や治療内容を振り返る時に参考になる数値です。
高血圧の方が血圧を測るように、リウマチの方はCDAIスコアを測定しましょう。
●CDAIとSDAIとの違いは何ですか?
SDAIは「Simplified Disease Activity Index」の略で、CDAIと同じように疾患活動性を示す数値です。
SDAIは『CDAI+CRP(mg/dl)』で算出されます。計算式の通り、CDAIとの違いは「CRP」の有無です。CRPは、炎症を示す数値で血液検査によって分かる数値です。
疾患活動性 | SDAI |
---|---|
寛解 | SDAI≦3.3 |
低 | 3.3<SDAI≦11 |
中等度 | 11<SDAI≦26 |
高 | 26<SDAI |
●CDAIスコアで寛解になれば、完治したことになりますか?
寛解はリウマチの症状がほぼなくなり、コントロールされた状態のことです。
寛解には3つの種類があります。
-
1:臨床的寛解
CDAIやSDAIの寛解は、臨床的寛解を示しています。炎症(関節の痛み、腫れ)と自覚症状が無くなった状態のことです。
-
2:構造的寛解
レントゲンを診て関節破壊の進行が止まっている状態のことです。
-
3:機能的寛解
日常生活の動作に支障がない状態のことです。HAQ(ハック)という指標が0.5以下であれば機能的寛解と考えられます。
リウマチ治療はまず上記3つの寛解を目指しています。
お薬を服用しながらであっても、臨床的寛解・構造的寛解・機能的寛解を満たせば「寛解」となります。寛解が持続し、薬の服用を休止した状態が「完治」と言われます。まずは寛解を目指し、寛解継続していくことが完治につながります。
CDAIスコアの測定について
●どれくらいの頻度で測定すればいいですか?
定期的に測定することが大切です。毎日が理想ですが、難しい場合は週に1回からスタートしましょう。
●CDAIスコアがいつも同じです。変化がなくても測定を続けた方がいいですか。
定期的に測定することが大切です。毎日が理想ですが、難しい場合は週に1回からスタートしましょう。
●CDAIスコア測定は、いつも同じ時間に記録した方がいいですか?
できるだけ同じ時間に記録した方が体調の変化がとらえやすく、精度が高いCDAIスコアとなります。リウマチは朝(寝起き)に症状が強い場合が多いので、朝の測定がおすすめです。
CDAIスコアの活用について
●CDAIスコアはかかりつけ医に見せてもいいものですか?
はい。CDAIスコアは診療する上で参考になる数値です。
当サイトのCDAIスコアは、「患者の全般評価」と「医師の全般評価」を同等と想定して算出しています。診療の際に「医師の全般評価」をふまえたCDAIスコアを算出してもらいましょう。