「治験」に参加する?しない?

2017/10/05

治療

関節リウマチに限らず、薬が世の中にわたるまでには「治験(臨床試験)」が行われています。治験は、ある病気に効果が期待できる薬が開発された時、本当にそれが有効なのか、安全性は確かか、適切な投与量は・・・などを見極めるために行う科学的な検証です。

治験へ参加するかどうかは、患者さんが決める

関節リウマチでは、新薬の研究・開発が進んでいます。医師から「治験に参加しませんか」と案内を受けたり、治験参加者募集の広告を見たりして治験に興味をもつことがあるかもしれません。

 

治験を希望する場合は、事前に治療の目的、どんな薬なのか、治験を行うメリット・デメリットなどの説明が必ずあります。説明を聞いた上で治験を受けるかどうかを決めるのは患者さんご本人です。参加したくないと思えば、もちろん断ってもよいことです。

治験のメリット・デメリット

治験は、治療の選択肢が1つ増えると考えることもできます。メリットとデメリットを確認し、よく理解した上で判断するようにしましょう。

 

メリット(一例)

 

●いち早く新薬(市販される前の新しい薬)の治療を受けることができる
市販されている薬で、あまり効果が得られなかった方も、もしかしたら新しい薬は効く可能性があります。

 

●治験機関中の医療費の負担が少なくなる
治験によっては、薬剤や検査の費用が免除されることがあります。

など

 

デメリット(一例)

 

●予期しない副作用が生じる可能性がある

●治験のスケジュールによって、時間や労力がかかる場合がある

 

●今、服用中の薬を中止する場合がある
など

希望しても必ず参加できるわけではない

多くの場合、治験には、参加するための条件があります。例えば『関節リウマチの診断を受けて○ヵ月以上経っている人』『生物学的製剤を服用しているが、効果が十分でない人』『○○歳以下の人』・・・などです。

治験を希望しても、条件が合わない場合は参加できません。

医療機関によって実施している治験が異なります(実施していない場合もあります)ので、興味のある方は、まずは主治医に相談しましょう。

全ての薬は治験を経ている

今、皆さんが使っている薬はすべて「治験」を経ています。新薬を生むためには、治験はなくてはならないものです。治験の内容や目的、方法などをよく確認し、納得できた場合は、参加してみてもよいでしょう。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック