関節だけじゃない!リウマチは全身に症状が現れる病気

2017/08/28

症状

「関節リウマチ」という名前であるものの、関節リウマチは関節にだけ起こる病気ではありません。全身に症状が出る病気です。病気の進行によってはさまざまな合併症が起こることもあります。関節リウマチの全身の症状について説明していきます。

関節リウマチと診断されたら、全身を管理することが大切

全身におよぶ関節リウマチの症状

関節リウマチの症状の現れ方はとても多彩で、患者さんお一人おひとりで異なります。関節以外にも下記のような症状が現れることがあるので注意が必要です。

 

関節以外のリウマチの症状

 

肺の炎症は息切れ、呼吸困難に陥ることがある

血管の炎症から胸膜炎、間質性肺炎、肺線維症などの肺の疾患を合併することがあります。

 

胸膜炎

肺に水がたまり、発熱や胸痛、咳をともないます。

 

間質性肺炎

間質といわれる支持組織の肺胞壁、細気管支、細動脈の周囲に炎症が起き、息切れや呼吸困難などに陥ります。一部の抗リウマチ薬では間質性肺炎を生ずる可能性があるため、鑑別が必要です。

 

肺線維症

間質(支持組織の肺胞壁、細気管支、細動脈)の硬化と萎縮によって正常な肺組織が壊れてしまうと呼吸不全に至ります。

 

 

血管に炎症が起きると全身が栄養不足・酸素不足になり、時に生命に関わる場合も

血管には全身に栄養や酸素を供給する役割があります。血管に炎症が起きると栄養や酸素の供給不足となり、それが原因で痛み、神経のしびれ、出血斑・褐色斑・紫斑などの皮膚の潰瘍が起こります。特に中枢の太い血管に炎症が起きる心筋梗塞や腸間膜動脈血栓症などは生命に関わります。

 

心臓の筋肉や膜に炎症が起きる

心筋炎や心膜炎もリウマチの合併症である場合があります。不整脈や胸痛、ショック、心不全などに至る可能性がある病気です。

 

さらに症状が複合し起きる病気もある

悪性関節リウマチ

血管の炎症を代表として、下記の症状を伴う症状を悪性関節リウマチと呼びます。病状が重く予後が悪いため、難病として厚生労働省の特定疾患の1つに指定されています。

 

◇血管の炎症
◇神経炎
◇目の炎症
◇内臓の炎症、梗塞、壊死
など

 

二次性アミロイドーシス

関節リウマチの炎症が長く続くと「アミロイド」というたんぱく質が臓器に沈着していきます。アミロイドが腸管に沈着すると下痢。心臓に沈着すると心不全。腎臓では腎不全を起こします。関節リウマチの最終段階を示す病変です。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック