手術を受けた方がよいかどうか、を判断するポイント4つ

2017/08/25

治療

関節リウマチになったからといって、必ず手術が必要になるわけではありません。しかし、関節破壊が進み関節が動かせなくなった場合には、手術を考えなければなりません。そうはいっても、手術をためらう方は多いですよね。この記事では手術を受けた方がよいかどうかを判断するポイントを紹介します。

ポイント1:歩くことや日常生活が困難になった時

痛みの程度や関節の可動域、歩行の状態などは手術を検討する時の判断材料になります。適切な薬物治療、リハビリテーションを行っているにも関わらず、病気の進行によって日常生活が送れない状態になってしまった時は、手術を考えるタイミングといえます。

 

こんな時は手術を考える
●30分間つづけて歩くことができなくなった時
●日常の動作がいくつもできなくなり、人手を頼むようになった時
●関節破壊が進んでいるのに、薬やリハビリテーションで治療効果が出ない時

ポイント2:関節破壊が進む前に!時期を逃さないことが大切

手術はいつでも行えるわけではありません。関節の破壊が進行しすぎると、人工関節に置きかえる手術は困難になります。人工関節はご自身の骨を土台にするため、その土台が弱っていると手術ができないためです。

 

そして多くの場合、関節破壊が進むと痛みがあって動かせない状態がつづきます。そうすると筋肉がやせ細ってしまい、人口関節手術をしたとしても筋力を取り戻すことが難しくなってしまうのです。手術はタイミングを逃さずに行うことが大切です。

ポイント3:患者さんご本人に強い意欲や理解があること

患者さんご本人に「よくなりたい」という強い意思があることは手術の大切な条件です。精神的に不安定であったり、落ち込んでいる状態では手術後のリハビリやトレーニングが続けられません。

手術の意味や目的をしっかり理解して、医療スタッフとの意思疎通がスムーズに行えることも重要なっポイントです。患者さんに認知症があるようなケースは手術は難しいでしょう。

ポイント4:合併症や感染症がない状態で手術を受ける

手術は合併症がコントロールされてから行います。貧血や糖尿病、腎臓・肝臓・心臓の病気などの合併症がある場合は、まず合併症の治療を優先します。回復が見込めない合併症がある場合は、手術はできません。

また、全身、あるいは局所に感染症がないことも手術前にチェックする必要があります。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック