関節リウマチの4つの治療法を知る

2017/08/28

治療

関節リウマチの治療は「治ったように症状がおさまる状態」(寛解)を目指し、これを維持していくことが目標になります。この目標を叶えるためには、病気の症状や進行状態に合わせて4つの治療法を組み合わせていく必要があります。

1:薬物療法:病気の進行を抑え、症状をやわらげる。

関節リウマチ治療の中心的な役割を担うのが薬物療法です。薬は、非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ステロイド薬(ステロイド薬)、抗リウマチ薬(メトトレキサート)、生物学的製剤があります。

 

薬物療法
●対症療法(痛みのコントロールが中心)
◇非ステロイド性抗炎症薬
◇副腎皮質ステロイド薬(ステロイド薬)

 

●根本治療
◇抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)
◇生物学的製剤

 

関節リウマチの研究が進み、関節リウマチは発症して23年で急速に関節破壊が進行することが分かりました。関節破壊が進んで変形してしまってからでは、どんな薬を使っても元には戻せません。そこで現在では、関節リウマチと確定したら、できるだけ早く抗リウマチ薬を使って関節破壊を抑えることが推奨されています。

2:手術療法:痛みをやわらげ、失われた機能を回復させる

関節破壊が進行し、関節が動かせる範囲に制限が出てきた時や、痛みや腫れが長く続いて日常生活の動作を一人で行うことが難しくなった時やできなくなった時に外科手術を検討します。外科手術はいろいろな種類があり、関節の部位や病気の進行度に合わせて選択します。

 

手術療法の例

●滑膜切除術
●人工関節置換術
●関節固定術
●関節形成術
●腱の形成術

3:リハビリテーション療法:関節を守り、機能を維持する

リハビリは補完的な役割と考えられがちですが、関節リウマチでは治療の4本柱の1つとなる重要なものです。痛みによって関節を動かさなくなると、周囲の筋力が低下し、可動域(動かせる範囲)が狭くなり、日常生活の動作が不自由になっていきます。これを防ぐためには、発症初期からリハビリテーションを始めることが大切です。

リハビリテーションの必要性や方法は医師が判断して選択します。

 

リハビリテーションの種類

●物理療法(温熱療法、冷却療法)

●運動療法
●作業療法
●装具療法

4:基礎療法:患者さんが病気を理解して治療に取り組み、日常生活を管理する

関節リウマチは、患者さんが治療に対して前向きになり、積極的に取り組めるかどうかが治療効果に大きく影響する病気です。関節リウマチがどのような病気で、どのような検査が必要で、自分が病気のどの段階にあるのか、自分にとってどの治療が必要なのかを理解することはとても大切です。病気を理解することは不安感が減ることにもつながります。

その他にも、ストレスをためずに安定した精神状態を保つことや、食事、睡眠、体調管理といった生活全般が治療に関わってきます。

この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック