作用ポイントで3つに分かれる生物学的製剤
2017/10/18
7種類ある生物学的製剤(2017年10月時点)は、薬が作用するポイントで大きく3つに分けられます。今回は作用ポイント別に生物学的製剤をご紹介します。
TNFα阻害薬・IL-6阻害薬・T細胞阻害薬に分類される
●TNFα阻害薬
◇レミケード(インフリキシマブ)
◇エンブレル(エタネルセプト)
◇ヒュミラ(アダリムマブ)
◇シンポニー(ゴリムマブ)
◇シムジア(セルトリズマブ)
●IL-6阻害薬
◇アクテムラ(トシリズマブ)
●T細胞阻害薬
◇オレンシア(アバタセプト)
TNFα阻害薬
関節リウマチでは異常な免疫反応により炎症性のサイトカインというものが過剰に産生され、これらが炎症反応を引き起こす原因となります。TNFαは炎症性サイトカインの1つで、炎症を悪化させたり、関節を破壊しています。
TNFα阻害薬は、TNFαの作用を抑えることで炎症反応を強力に抑え、症状を改善させます。
◇エンブレル(エタネルセプト)
◇ヒュミラ(アダリムマブ)
◇シンポニー(ゴリムマブ)
◇シムジア(セルトリズマブ)
IL-6阻害薬
インターロイキン6(IL-6)も炎症性サイトカインの1つです。
IL-6は「IL-6受容体」というものに結合することで炎症を起こし、関節を破壊していきます。
IL-6阻害薬は、IL-6受容体を阻害することで炎症反応を抑えます。
T細胞阻害薬
上記のTNFα、IL6などの炎症性サイトカインは「T細胞」が指令を出すことで産生されます。関節リウマチでは免疫の異常によりT細胞が活性化されている状態にあるといえます。
T細胞阻害薬は、T細胞のの活性化を抑制し、炎症性サイトカインの産生を抑えることで、関節リウマチの症状を改善します。
服用する薬について理解しよう
患者さんの病状、ご希望によって、選択する薬は異なってきます。生物学的製剤は作用するポイントによって大きく3つに分類されますが、他にも、投与方法、投与間隔、投与量、副作用、費用、・・・などをふまえて、患者さんに合ったお薬を選択していきます。
例えば、同じ効果が見込める薬でも、点滴と皮下注射の選択が可能な薬もあります。医師とよく相談し、薬剤の長所・短所を知ることが大切です。