治療しなかったらどうなる?関節リウマチの経過

2017/11/27

基礎知識

関節リウマチの治療を受けずに放っておくと、いったいどうなるでしょうか。実は、関節リウマチの経過は「単周期型」「多周期型」「進行型」の3つのタイプに分かれます。

単周期型(約10%):発症1~2年で自然に治る

 

10%の方は、発病して12年で自然に寛解(症状が治まった状態)します。ただし、このようなケースはとても少ないと考えた方がよいでしょう。

多周期型(50~60%):良くなったり、悪くなったりを繰り返す

 

50~60%の方は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に全身に症状が現れるようになります。進行のスピード、障害される関節の場所などは人によって異なります。

進行型(20~30%):急速に進行・悪化する

 

20~30%の方は病状がそのまま悪化し、急速に関節破壊が進行します。

関節リウマチを診断する時に、今後の経過を予測することは非常に困難です。しかし下記のような結果が重なっているケースは、重症化しやすいと考えられています。

 

重症化しやすいケース
●リウマトイド因子、抗CCP抗体が陽性
●CRP(炎症反応)の数値が高い
●X線検査で「骨びらん」がみられる

経過の予測は困難。適切な治療をつづけることが大切!

関節リウマチと診断された時点で、「単周期型」「多周期型」「進行型」のどのタイプに当てはまるのかを予測することはできません。「単周期型」と思いこんで治療をしなかった人が本当は「進行型」で、病状が悪化してしまった、なんてことはあってはなりません。

関節リウマチによる関節破壊は、発症して間もない時期から進行することが明らかになっています。いかに早く治療を開始するかが、関節を守れるかどうかの鍵となります。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック