温める方がいいのか?冷やす方がいいのか?

2017/08/25

治療

物理療法には患部を温める「温熱療法」と冷やす「冷却療法」があります。どちらを選択するかは、患者さんの病状によって変化しますが、基本的には、炎症がしずまっている場合は温める、炎症が激しく患部が熱をもって腫れているときは冷やす方がよいとされています。

温熱療法で血液の循環をうながす

炎症は治まっているものの、慢性的な痛みが続いているような場合に行います。関節を温めて血液の循環をよくすれば、老廃物などの排出が促進され、痛みがやわらぎます。

 

電気療法

電気療法は下記のような装置を使用するため、医療機関で行われます。

 

電気療法の機器

●超音波
●マイクロウェーブ(極超音波)
●レーザー光線
●赤外線
など

 

患部の奥深くまで温熱が達するため、股関節やひざなどの大きな関節の治療に適しています。ただし、人工関節を入れている人(また、心臓ペースメーカーを入れている人)には行えません。体内に金属が入っていると、金属部分が高熱になると考えられるからです。

 

自宅で行う温熱療法

ホットパック、入浴・部分浴などは家庭でできる温熱療法といえます。

 

ホットパックはAmazonでも購入できます。

 

冷却療法で患部の腫れや痛みをやわらげる

炎症が激しく、患部の腫れや痛みが強い時に行います。炎症をしずめ、痛みをやわらげて筋肉のけいれんなどを改善させます。

意外かもしれませんが、冷却をやめた後は、その反射で血管が拡張して血流が増加するため、温まりやすくなる効果もあり、筋肉がやわらぎます。

 

冷却療法のやり方
患部の上にタオルをかけ、その上から氷を入れた氷のうやビニール袋をあてます。
痛む関節を冷やしながら、やさしくマッサージすると効果があります。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック