点滴と皮下注射、どっちがいい?
2017/08/23

生物学的製剤の使用方法は「点滴」と「皮下注射」に分かれます。どちらがあなたに合うでしょうか? 今回は生物学的製剤の投与方法の違いに着目して、それぞれの特徴をご紹介します。
点滴
予約した日時に医療機関へ行き、点滴を受けます。点滴は薬をゆっくりと体内に入れていくため、1~2時間ほど時間が必要です。好きな音楽や本を楽しむなど、リラックスして受けることもできます。点滴中に、何か気になることがあった場合も、医師や看護師が近くにいて対処してくれるので、安心して受けることができます。
製剤
◇レミケード
◇アクテムラ
◇オレンシア
点滴の特徴
◇点滴中、医師や看護師が近くにいるので安心
◇予約日を守って通院する必要がある
◇家で薬を保管しなくてよい
皮下注射
点滴に比べて短時間で済みます。
使用する間隔が短い薬(週1回や2週間に1回)では、自分で注射するという選択肢もあります。その場合、注射剤を自宅の冷蔵庫で保管することになるので、家族、特にお子さんの手が届かないように注意が必要です。
使い終わった注射剤は「医療廃棄物」なので、家庭のゴミと一緒に捨ててはいけません。病院から渡される専用の箱に入れ、通院する際に持参して廃棄します。
エンブレル、アクテムラ、オレンシアの注射剤には、注射器(シリンジ)のほかにオートインジェクターもあります。オートインジェクターとは自動注射器のことで、ボタンを押すだけで針先を見ずに、簡単に薬を注入できるよう工夫されています。
製剤
◇エンブレル・・・在宅自己注射〇、オートインジェクター〇
◇ヒュミラ・・・在宅自己注射〇
◇シンポニー・・・医療機関で注射
◇シムジア・・・在宅自己注射〇
◇アクテムラ・・・在宅自己注射〇、オートインジェクター〇
◇オレンシア・・・在宅自己注射〇、オートインジェクター〇
皮下注射の特徴
◇点滴に比べて短時間で済む
◇在宅自己注射を選ぶこともできる(エンブレル、ヒュミラ、シムジア、アクテムラ、オレンシア)
◇在宅自己注射の場合、注射剤を自宅で管理する必要がある
ライフスタイルに合わせて選ぼう
点滴は時間がかかるイメージを持つ方も多いですが、リラックスできる環境(リクライニングチェア、テレビを見ながら、など)で点滴ができる医療機関も増えています。雑誌や本を読んだり、点滴の時間をリラックスタイムとして過ごすのもよいと思います。
「点滴」も「皮下注射」もそれぞれ良い点があるので、ご自身のライフスタイルに合った方法を医師と相談しながら選択しましょう。