手指に起こる関節リウマチ特有の変形
2017/08/28

手指の病変は、最初は「こわばり」「腫れ」となって現れますが、病気が進行するにつれて変形が起こってきます。この記事では、関節リウマチ特有の指の変形について紹介します。
いったん変形した指は、そのままの形で固まる
関節リウマチの変形は、いったん変形してしまうとそのままの形で固まってしまいます。関節リウマチ特有の変形は5つあります。
尺側偏位(しゃくそくへんい)
親指をのぞく4本の指の付け根の関節が、ずれたり亜脱臼を起こして指が外側(小指側)に曲がってしまいます。進行が遅いため、患者さんは徐々に慣れていき、機能障害はあまり感じないことが多いといわれています。
ボタン穴変形(ボタン・ホール変形)
指の第2関節の炎症がつづくと、指の背側の関節包が引きのばされ、腱が裂けて、骨が飛び出ます。そのため、第2関節は出っぱって内側へ曲がり、第1関節は外側へそって、ボタン穴のような形になります。
スワン・ネック変形
第3関節の炎症がつづくと、指を伸ばす「すじ」が手のひら側にずり落ち、第3関節が曲がり、第2関節がそり、第1関節は曲がって、白鳥の首のような形になります。
Z字変形
親指に起こる変形です。第1関節が曲がり、ヒッチハイクをする時のような形になります。ものをつまむ動作が不自由になります。
ムチランス変形
骨が破壊されて溶けてしまい、指が短くなります。また筋肉・皮膚がたるんで指に力が入らなくなります。指を引っぱると、オペラグラスのように伸びちぢみするため、オペラグラス変形ともよばれます。