初期は少ない、股関節の症状
股関節の障害は、関節リウマチの初期は少なく、発症してから3~10年程の間に15~40%の人に起こるといわれています。初期に症状がなくても、定期的なチェックが重要であることが分かりますね。
股関節の構造を簡単にご紹介します。
●左足の股関節
股関節は、寛骨(腸骨、坐骨、恥骨からなる)の中央に位置する寛骨臼(かんこつきゅう:関節の屋根部分)と大腿骨頭で構成されています。大腿骨頭は球形をしていて、寛骨臼は大腿骨頭を深く収納するようにできているので、簡単には脱臼しないようなしくみになっています。
2種類に分かれる股関節障害
関節リウマチの股関節障害は2種類に分けられます。1つは「滑膜の炎症による関節破壊」。もうひとつは「ステロイド治療の副作用、あるいは血管炎による大腿骨頭壊死」が起こる場合です。
どちらも進行すると強い痛みが現れるので、定期的に医療機関に通院しチェックしていくことが大切です。
進行すると寝たきりになる危険性も
股関節は関節リウマチだからといって、必ずしも全員に病変が起こるわけではありません。しかし、いったん関節破壊が進むと急激に悪化する部分であり、注意が必要です。股関節は日常のさまざまな動作で力が加わる部分で運動範囲が広いため、破壊が起こると歩行や体全体の動きが不自由になります。
悪化すると寝たきりの原因になることもあり、タイミングをみて人工股関節置換術を検討します。もし関節破壊が進んでしまった場合は、前向きに「手術」を考えることも大切だといえます。