関節リウマチと心の関係

2017/10/25

生活

関節リウマチは、患者さんの精神状態によって病状が変化することがあるといわれています。

今回は、関節リウマチと心の関係についてのお話です。

ストレスは関節リウマチを悪化させる

関節リウマチの発症初期や進行期は、患者さんは今後のことを心配して精神不安定になりがちです。ですが、精神的なストレスは病気にも影響し、多くの場合、病状は悪化してしまいます。ストレスをためずに生活することは、病気の治療においても大切なことといえます。

 

安定した精神状態を保つポイントをご紹介していきます。

 

ポイント1:病気や治療を理解する

関節リウマチやその治療法についての知識を得ていきましょう。“よく分からない状態”は不安を助長します。病気について理解すれば、「長い付き合いになる」「治療法が進化している」「クヨクヨしても仕方ない」・・・と思えるようになります。

病気や治療法について理解すると、医師にも相談しやすくなり、治療にも積極的に取り組むことにつながります。

 

ポイント2:笑い・涙を大切にする

関節リウマチを発症したからといって、人生が終わるわけではありません。嬉しい・楽しい・悲しいなど、さまざまな感情が生まれます。楽しい時は笑い、悲しい時は泣きましょう。笑いや涙には、関節リウマチを悪化させる物質(サイトカインなど)を減らす効果があることが、研究でも明らかになっています。

 

ポイント3:できることに目を向ける

症状が進行して以前できた動作ができなくなったことを実感すると、患者さんはどうしても「できないこと」を気にしてしまいます。このような感情は、仕方のないことですが、できるだけプラス思考で「できること」に目を向けるようにしましょう。

そして、できることを維持するためには、リハビリの必要性を実感するはずです。リハビリをつづけるうちに、痛みが軽くなり、失った機能が戻ってくると、精神面にもプラスに影響します。

心のケアも大切な治療の1つ

健康な人でもストレスへの対処は難しいものですが、治療のためにも、できるだけストレスをためずに、病気に向き合う心がまえをもつことが大切です。心のコントロールは簡単ではないかと思いますが、悩みやつらさをひとりで抱え込まずに、前向きに過ごしていただきたいと思います。

この記事のタグ

この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック