関節リウマチは患者さんの人生を左右する
2017/08/30
関節リウマチはお年寄りの病気ではなく、30~50代の女性に多い病気。この年代の女性は結婚、育児、家事、仕事、介護など人生の中で最も忙しい時です。その大切な時期に、病気の不安や悩み、身体機能の困難をかかえることは非常につらいものです。
日常生活の苦労に加え、社会的な疎外を感じる方も
関節リウマチの患者会「日本リウマチ友の会」では、会員の患者さん1万人へのアンケート結果を発表しています。これを見ても生活の不自由さや家事ができない、といった日常生活の苦労だけでなく、進学や結婚、妊娠をあきらめたり、周囲の無理解に苦しむなど社会的にも疎外される状況があることが分かります。
引用
リウマチ患者さんの生活実態アンケート
【日常生活】
◇毎日の生活が不自由になった・・・86.8%
◇家事ができない・・・53.9%
◇出費がかさみ家計が苦しくなった・・・29.1%
◇家族に気兼ね・関係悪化・・・26.3%
【職業生活】
◇リウマチのため休職・退職・廃業・・・62.4%
◇仕事を続けているが、身体的苦痛や周囲の無理解などに悩む・・・18.0%
◇就職したかったがリウマチのために断念・・・16.6%
【結婚生活】
◇夫婦生活が困難・・・30.3%
◇結婚しなかった・・・9.6%
◇出産をあきらめた・・・8.8%
【社会生活】
◇親類・近所づきあいの外出が出来なくなった・・・70.3%
◇いわれのない差別を受けた・・・9.5%
【学校生活】
◇休学・留年・退学した・・・55.7%
◇進学できなかった・・・22.4%
引用元:財団法人日本リウマチ友の会「2005年リウマチ白書」
働き盛りだからこそ、仕事や職場環境の悩みも多い
アンケート結果によると半数以上の方が、リウマチの罹患によって職業生活に影響があったと回答しています。そして、休職・退職・廃業した方や、仕事を続けていても身体的苦痛や周囲の無理解に苦しんでいる方が多いことも明らかです。
●リウマチが職業生活に与えた影響は?
社会のリウマチに対する理解も重要になる
リウマチの治療は近年劇的に進化し、今では寛解を目指せる病気となりました。しかし患者さんの生活を守るためには、治療の進化だけでなく、社会のリウマチに対する正しい理解がとても重要になるといえます。