関節リウマチと遺伝の関係

2017/09/13

基礎知識

関節リウマチを発症した方が気にすることの1つに遺伝があります。特にお子さんがいる方や、これから妊娠・出産を希望されている方にとって「病気が子どもに遺伝するかどうか」はとても気になる点だと思います。この記事では、関節リウマチと遺伝について説明したいと思います。

関節リウマチと遺伝は無関係ではないが、遺伝しても必ず発症するわけではない

 

一卵性双生児の一方が関節リウマチを発症した場合、同じ遺伝子を持つもう片方の人が関節リウマチを発症する確率は1534%といわれています。遺伝子が同じでも100%発症するわけではありません。

関節リウマチは、遺伝とまったく無関係というわけではありませんが、さまざまな環境因子が関係して発症しているといえます。

 

発症の原因はさまざまな要因が関与している

関節リウマチの原因は1つではなく、

 

●遺伝、年齢、性ホルモン
●ウイルス・細菌などの感染、喫煙
●湿気、冷え、栄養不良、外傷、出産、過労、ストレス

 

など、さまざまな要因が複雑に関与して発症すると推測されています。
決定的な原因は今でもわかっていない病気です。

お子さんには、関節リウマチの早期診断・治療の重要性を伝えよう

お子さんが関節リウマチを発症しないか、不安になることもあるかと思います。

ですが、考え方を転換してみましょう。

お子さんは関節リウマチの早期診断・治療の重要性を早くから知ることができ、もし、疑わしい症状が現れた時には、早期にリウマチ専門医にかかり、診断・治療を受けられる可能性が(関節リウマチを知らない人よりも)高いのです。

ご自身が関節リウマチだからこそ“関節リウマチは、発症早期に適切な治療を開始すれば、寛解に到達できる病気”ということをお子さんに教えることができる、そんな風に前向きに考えていきましょう。

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この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック