「国際的な考え方」と「現代の治療」をふまえ「慢性」をはずした
「慢性関節リウマチ」と名付けられたのは、1957年のことです。当時の日本リウマチ協会(現在の日本リウマチ学会)によって、病名として正式に採用されました。病名が変更になったのは、2002年4月のことです。日本リウマチ学会は病名から「慢性」をとり「関節リウマチ」と改めることを通達しました。
変更の理由としては、下記のような意見があったといわれます。
●「Rheumatoid Arthritis」にふくまれる炎症という概念が欠落している。
●「慢性」という言葉が患者さんに与える精神的ダメージが大きい。早期診断・治療によって、発症初期に寛解する例も少なくない。
「慢性関節リウマチ」は日本独自の用語であったことや、早期発見・早期治療が重視される現代において「不治の病」のような不安をまねく病名は適当ではない、と考えられたんですね。
劇的な進化をとげた関節リウマチの治療
関節リウマチの治療は、かつては膠原病グループの中では最も遅れていました。しかし今では、他をリードするほどの進化をとげたのです。早期に診断し、早期に免疫抑制薬や生物学的製剤を使用することで、寛解を達成し治癒も期待できるようになっています。病名変更には「リウマチを慢性化させず、治癒させたい」という強い願いが込められているように感じます。