関節リウマチと症状が似ている病気

2017/11/05

診断

関節に炎症が起きたり、痛みを感じたりする病気は関節リウマチ以外にもたくさんあります。症状は似ていても、病気によって最適な治療法は変わりますので、鑑別はとても重要です。

リウマチ専門医が関節リウマチの診断を行う時に注意している「関節リウマチと症状が似ている病気」をご紹介します。

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関節リウマチと診断する時には、下記の病気を除外していく必要があります。

これは、関節リウマチの診断基準(2010ACR/EULAR分類基準)を用いて関節リウマチを診断する際に“関節リウマチと見分けなければならない病気”として日本リウマチ学会が発表しています。

 

鑑別の難易度によって高・中・低の3群に分類されています。

 

鑑別難易度 疾患名

●ウイルス感染に伴う関節炎

(パルボウイルス、風疹ウイルスなど)

 

●全身性結合組織病

(シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症)

 

●リウマチ性多発筋痛症

 

●乾癬性関節炎

 

●変形性関節症

 

●関節周囲の疾患

(腱鞘炎、腱付着部炎、肩関節周囲炎、滑液包炎など)

 

●結晶誘発性関節炎

(痛風、偽痛風など)

 

●血清反応陰性脊椎関節炎

(反応性関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患関連関節炎)

 

●全身性結合組織病

(ベーチェット病、血管炎症候群、成人スティル病、結節性紅斑)

 

●その他のリウマチ性疾患

(回帰リウマチ、サルコイドーシス、RS3PEなど)

 

●その他の疾患

(更年期障害、線維筋痛症)

 

●感染に伴う関節炎

(細菌性関節炎、結核性関節炎など)

 

●全身性結合組織病

(リウマチ熱、再発性多発軟骨炎など)

 

●悪性腫瘍

(腫瘍随伴症候群)

 

●その他の疾患

(アミロイドーシス、感染性心内膜炎、複合性局所疼痛症候群など)

 

 

さまざまな病気を除外して診断する

このように関節リウマチと似た症状が現れる病気はさまざまあります。そのため、関節リウマチの早期診断を行うためには、同時に、関節リウマチと似た病気ではないことを鑑別しなければいけません。血液検査や画像検査は、関節リウマチ以外の病気を除外する目的でも行っています。

この記事の監修

湯川リウマチ内科クリニック 院長
日本リウマチ学会専門医・評議員
湯川宗之助

湯川リウマチ内科クリニック